鎮静薬
- 麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン 小児麻酔薬
- 小児科研修の素朴な疑問に答えます
ミダゾラム
- 静注: 0.05-0.1mg/kg, MAX: 0.4mg/kg
- 筋注: 0.1-0.2mg/kg
- 座薬・経口: 0.5mg/kg
- 1分〜5分で効果発現
- 作用時間は30分~90分
<!-- -->
- 全身麻酔の導入および維持
- 0.15-0.30mg/kg 静注 1分以上かけて
- 集中治療における人工呼吸中の鎮静
- 導入
- 通常、成人には、初回投与はミダゾラム0.03mg/kgを少なくとも1分以上かけて静脈内に注射する。より確実な鎮静導入が必要とされる場合の初回投与量は0.06mg/kgまでとする。
- 必要に応じて、0.03mg/kgを少なくとも5分以上の間隔を空けて追加投与する。但し、初回投与及び追加投与の総量は0.30mg/kgまでとする。
- 通常、修正在胎45週以上(在胎週数+出生後週数)の小児には、初回投与はミダゾラム0.05~0.20mg/kgを少なくとも2~3分以上かけて静脈内に注射する。必要に応じて、初回量と同量を少なくとも5分以上の間隔を空けて追加投与する。
- 維持
- 通常、成人にはミダゾラム0.03~0.06mg/kg/hより持続静脈内投与を開始し、患者の鎮静状態をみながら適宜増減する。(0.03~0.18mg/kg/hの範囲が推奨される)
- 通常、修正在胎45週以上(在胎週数+出生後週数)の小児には、ミダゾラム0.06~0.12mg/kg/hより持続静脈内投与を開始し、患者の鎮静状態をみながら適宜増減する。(投与速度の増減は25%の範囲内とする)
- 通常、修正在胎45週未満(在胎週数+出生後週数)の小児のうち、修正在胎32週未満ではミダゾラム0.03mg/kg/h、修正在胎32週以上ではミダゾラム0.06mg/kg/hより持続静脈内投与を開始し、患者の鎮静状態をみながら適宜増減する。
- どうしても無理なときは0.5mg/kg/hrまで増量することもあり
- 導入
ジアゼパム
- 静注: 0.1-0.2mg/kg
- 坐剤: 0.3-0.5mg/kg
- 数分で効果発現
ペントバルビタール
- 商品名: ラボナ
- 静注: 1-3mg/kg MAX 6mg/kg
- あまり使わない
チオペンタール
- 商品名: ラボナール
- 座薬: 25mg/kg
チアミラール
- 商品名: イソゾール
- 静注薬: 0.5g/V + 注射用蒸留水 20mL
- 溶解すると25mg/mL
- 2.5mg/kg(0.1mL/kg)を最初に投与。MAX: 100mg(4mL)
- 鎮静得られなければ同量を再投与する
トリクロリールシロップ 10%
- 一般名: トリクロホスナトリウム
- 使用量: 20~80mg/kg(シロップとして0.2~0.8 mL/kg)を標準とし、総量2g(シロップとして20mL)を超えないようにする。
- よく使う量は0.8mL/kg
- REM睡眠を抑制しない→ABRや脳波の時の鎮静としても使える
エスクレ坐剤 250mg, 500mg
- 一般名: 抱水クロラール
- トリクロと代謝産物は同じ
- 肝臓のアルコール脱水素酵素によりトリクロロエタノールに分解される。
- 使用量: 小児では抱水クロラールとして30~50mg/kg, Max 1.5g
- 半減期:成人 8.2hr, 4ヶ月以降: 9.67hr, 新生児: 27.8hr, 未熟児: 39.8hr
- 注意:
- 直腸内への挿入は、丸い部分の方からに挿入すること。
- ゼラチンアレルギーには禁忌
ケタラール静注用200mg 20mL
- 一般名: ケタミン
- ケタラール静注用 200mg/20mL と ケタラール筋注用 500mg/10mLの2種類があるので注意。
- 急速静注では筋緊張が亢進し、呼吸が不規則になることがある。
- 頭蓋内圧上昇作用がある。
- 半減期は4hr
- ケタミン 1-2mg/kgを緩徐に静注する。
- 例: 体重10kgではケタラール10 1mL + 生理食塩水 9mL = 計10mL を緩徐に静注する。
- 30-60秒で意識消失が起り、その後10-20分持続する麻酔状態が得られる。完全な意識回復にはさらに30-60分を要する。
- 必要に応じて初回量の半量~同量を追加投与する。
- 麻薬扱いなので早めにオーダーしてとってきてもらこと。