降圧薬
概要
- 重症高血圧(高血圧緊急症)では、一般に6~8時間かけて1/4~1/3を降下させ,48時間~72時間かけてゆっくりと90パーセンタイル以下の血圧に調節する。
参考文献
種類と用法・容量
カルシウム拮抗薬
- ニカルジピン(ペルジピン): 1~3μg/kg/分 持続静注
- 数分で効果が表れ,数時間で降圧目標に達する.ニトロプルシドよりも持続使用が可能であるうえ,欧米では早産児・新生児にも有効とされる
- 成人: ・0.5μg/kg/minより開始し,目標値まで血圧を下げ,以後血圧をモニターしながら0.5~6μg/kg/min の速度で投与
- ニトロプルシド(ニトプロⓇ): 0.53-10μg/kg/分 持続静注
0.2μg/kg/分ずつ増量(3μg/kg/分以下で持続)
- 数秒単位で効果を発揮し短時間作用型である.動脈,静脈ともに拡張作用を持つ.
- 72時間以上の長期使用や肝・腎機能障害での使用の場合はシアンの上昇に注意
- アムロジピン
- 本邦での小児への承認高血圧症: 6歳以上
- 本邦の小児の用法・用量: 1日1回2.5mg、適宜増減、1日最大5mg
- 海外での小児の投与量: 2.5-5 mg/日 分1あるいは 0.06-0.3 mg/kg/日、分1
- 成人: 1日1回,2.5~5mg,最大投与量10mg/日
- ニフェジピン (セパミット)
- 0.25mg/kg/回 1日2回
- 成人: 1回10mg,1日3回
- ニフェジピン徐放剤 (セパミットR)
- 開始量: 0.25~0.5mg/kg/日,1日1~2回, 最大:3mg/kg/日
- 成人: 1回10~20mg,1日2回,最大:60mg/日
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
- エナラプリル
- 本邦での小児への承認高血圧症: 1ヶ月以上
- 本邦の小児の用法・用量: 0.08 mg/kg/日を1日1回、適宜増減、1日最大10 mg
- 海外での小児の投与量開始量:0.08 mg/kg/日 (5mg/日まで), 最大0.6 mg/kg/日 (40 mg/日まで), 分1-2
- リシノプリル
- 本邦での小児への承認高血圧症: 6歳以上
- 本邦の小児の用法・用量: 0.07 mg/kg/日を1日1回、適宜増減、1日最大 20mg
- 海外での小児の投与量開始量:0.07 mg/kg/日 (5mg/日まで), 最大0.6 mg/kg/日 (40mgまで) 1日1回 (懸濁して投与可)
アンジオテンシン受容体拮抗薬
- ロサルタン (ニューロタン) 1
- 0.2mg/kg/day, 最大: 1.0mg/kg/day
- 降圧効果は弱い
- カルデサルタン (ブロプレス) 2
- 0.03mg/kg/day, 最大: 0.15mg/kg/day
- バルサルタン (ディオバン)
- 本邦での小児への承認高血圧症: 6歳以上
- 本邦の小児の用法・用量: 35kg 未満 1日1回20mg/日, 35kg 以上 1日1回40mg/日 適宜増減、ただし35kg 未満の場合1日最大40mg
- 海外での小児の投与量開始量: 1.3mg/kg/日 (40mgまで), Dose range:1.3-2.7 mg/kg/日 (160 mg/日まで), 分1
末梢血管直接作用
- アプレゾリン 3
- 0.5-1.5mg/kg/day 3x, 最大: 3mg/kg/day, 少量から開始して1-2週で維持量へ
ACTH 両方時の高血圧への対処法 (岡大小児神経)
- sBP ≧ 105でアルダクトン A 1.0mg/kg/day 2xを開始
- それでも続けば、セパミットR(ニフェジピン) 細粒 0.25mg/kg/day 2xから開始。続けば1.0mg/kg/dayまで増量。
- それでも続けば、カプトプリル 0.5mg/kg/day 2xから開始。続けば2.0mg/kg/dayまで増量。
- それでもsBP≧120で不機嫌がアレばカプトプリル 0.5mg/kg/dose pro re nata