顔面神経麻痺

表情筋スコア(40点法)

• 4点 左右差がないまたはほとんどない
• 2点 明らかに左右差があるが患側の筋収縮あり
• 0点 筋収縮なし
• 項目
  • 安静時非対象
  • 額のしわ寄せ
  • 軽い閉眼
  • 強い閉眼 (閉眼は下眼瞼に注目する)
  • 片目つぶり
  • 鼻翼を動かす
  • 頬をふくらます
  • イーと歯を見せる
  • 口笛
  • 口をへの字に曲げる
• 合計
  • 38点以上→正常
  • 20点以上→軽症　1～2ヶ月で治癒にいたり、無治療でも経過良好な場合が多い
  • 10-18点→中等症　1ヶ月以内に改善傾向を認め、3～4ヶ月で治癒する
  • 8点以下→完全麻痺(重症)　2～3ヶ月は改善を認めず、回復に4ヶ月以上かかる
  • 経過：36点以上＋中等度なし→治癒

House-Brackmann法 入院時のみ：経時的変化の評価には適さない

• 1,2 - 予後良好
• 3,4 - 中程度の機能障害を残す可能性
• 5,6 - 麻痺が残る可能性が高い

他の症状

耳鳴り(　), 聴力障害(　), めまい(　), 頭痛(　) 耳介・その周囲の水疱(　), 耳介発赤(　), 口腔内発疹(　) 下の痺れ(　), 味覚障害(　) 流涙(　), 眼球乾燥(　) 外傷既往(　)

• 難聴・耳鳴・眩暈すべてなし＋採血異常なし→Bell麻痺として治療
• 難聴・耳鳴・眩暈どれかあり＋疱疹→ラムゼイ・ハント症候群として治療
  • 臨床上疱疹を来さない場合も多く確定にはVZVペア抗体価測定(VZV EIA IgG; 初診および2週間後; CFは感度低い)
  • Bell麻痺ではHSV抗体の有意な変動を認めることは少ない。
  • Hunt症候群急性期：疱疹・唾液・涙液・末梢血単核球からのPCR VZV DNAは特異度高い。ウィルス分離は感度低い。保健適応でない。
  • Bell麻痺と考えられる場合も2週間は耳介・口腔の疱疹出現の有無を確認する。

治療

• 抗ウィルス薬は麻痺発症3日以内の投与開始が望ましい。
• ステロイドは早期程有効で遅くとも浮腫がピークになる10日以内の投与開始が望ましい。
• HSV-1とVZVでは抗ウィルス薬の量が異なる (ACVに対する感受性の違いによる) -> 抗ウィルス薬
• ステロイド
  • Treatment should preferably begin within three days of symptom onset. Our suggested regimen is prednisone 2 mg/kg daily (up to 60 to 80 mg) for five days, followed by a five-day taper. ¹
  • 麻痺発症3日以内に治療開始。2mg/kg/day (最大: 60-80mg)で開始して５日間で減量。
• 抗ウイルス薬
  • we suggest early combined therapy with prednisone 2 mg/kg daily (up to 60 to 80 mg per day) plus valacyclovir 20 mg/kg three times per day (up to 1000 mg three times daily) for one week for children with severe facial palsy.
  • 普通のBell麻痺では、抗ウイルス薬は有効かどうかはっきりしていないが、重症例では VACV 20mg/kg x 3(最大: 1000mg)
  • ラムゼイハントでは必ず併用。
• ビタミンB12・ATP

参考

• 日本顔面神経研究会　http://www.fnr.jp/guideline/
• ラムゼイ・ハント症候群の初期診療のポイント 　http://famvir.jp/3_pathema/dn/dn04.pdf