先天色覚異常
- 網膜に存在する光受容体は明暗に感度の高い[桿体細胞]{.underline}と色覚に関与する[錐体細胞]{.underline}の2種類がある。
- 錐体細胞は視物質オプシンの違いによりL-錐体(赤)、M-錐体(緑)、S-錐体(青)に別れる。
- 遺伝的に錐体細胞の分泌や活動性が正常者と異なる場合は先天色覚異常を呈する。
用語
- 従来、色盲・色弱といった用語が使われていた。
- 1錐体の完全欠損を2色覚(旧: 色盲)、1錐体の部分欠損を異常3色覚(旧: 色弱)と呼ぶ
遺伝様式・頻度
- L-錐体、M-錐体はX染色体上に遺伝子があり伴性劣性遺伝を示す。
- 1型2色覚(L-錐体の異常)と2型2色覚(M-錐体の異常)を合わせた日本人の有病者は男性で5%, 女性で0.2%である。1型2色覚と2型2色覚の比は1:3.0-3.5。
- S-錐体の遺伝子は7番染色体にある。3型2色覚(S-錐体の異常)は常染色体優性遺伝は0.002-0.007%と非常に稀である。
- 錐体1色覚(桿体 + L, M, Sの錐体のどれか1つのみしか機能していない)は非常に稀である。
- 桿体1色覚(桿体のみしか機能していない)の頻度は0.003%で2番染色体にある錐体細胞のchannnelに関する以上が考えられている。視力は極めて不良。
石原式色覚異常検査表
- 印刷インクの微妙な差異や日光での劣化、モニター上の発色によっても応答が変わる
- https://en.wikipedia.org/wiki/Ishihara_test
- 1類表(デモンストレーション):
だれでも読めるもの(知能など別の理由で読み取れない人を区別するため
- 2類表(変化型): 色覚異常があるかどうかで結果が変わるもの
- 3類表(消失型): 色覚異常があるものには読み取れないもの
- 4類表(隠蔽型): 色覚異常がある人には読めるが、色覚正常の人には読めないもの
- 5類表(分類型): 第1色覚異常(赤色を主に感知する細胞の変異)と第2色覚異常(緑色を主に感知する細胞の変異)を区別するもの