間接ビリルビンの上昇
直接ビリルビンの上昇
基本は胆道閉鎖症か、そうでないか。
検査項目
- マススクリーニング結果を確認
- 総ビリルビン/直接型ビリルビン
- TP/Alb, 蛋白分画
- 血液ガス
- アンモニア
- 肝胆道系逸脱酵素(AST, ALT, LDH, ALP, gamma-GTP, Amy/Lip.)
- 総胆汁酸
- 生後6~8週まで高値 (40~50μmul/L) を持続し、その後低下し、生後6ケ月で健常成人レベル (<10μmul/L) となる 1
- 総コレステロール
- 炎症反応
- TORCH 症候群検査
- EBウィルス, IgM-HA, B型肝炎
- 凝固機能検査(PT, APTT, HPTなど)
- 血中アミノ酸分析
- 尿検査(尿中ウロビリノゲン及びビリルビン)
- ? リポ蛋白分画 (LPXはβとOTHERの間に泳動されるらしい)
- マス・スクリーニング結果の確認: NICCDの40%は新生児マススクリーニング陽性(ガラクトース、メチオニン、フェニルアラニン高値)
- 併せてビタミンKの投与を検討
- 考慮: MRCP, 肝胆道系シンチグラフィ
鑑別
- 鑑別でまず大事なのは「胆道閉鎖症」か「そうでない」か
- 直接ビリルビンとともに総胆汁酸・γ-GTPを採血する
- 総胆汁酸 → 胆道系のうっ滞を直接ビリルビンより鋭敏に反応
- γ-GTP → 胆道障害があれば上昇
- γGTのみ正常:PFIC1, 2 (PFIC3は上昇あり)
- 胆汁酸のみ正常または軽度増加:急性肝不全など重篤な肝障害
- γGTも胆汁酸も正常:先天性胆汁酸代謝異常症(胆汁酸を作れないため上がらない)、体質性黄疸
- -> 尿中胆汁酸分析を行い異常胆汁酸を検出する。
- その他の症状をチェック
- 神経症状や発達遅延:ミトコンドリア肝症、その他の先天代謝異常症
- 奇形症候群:Alagille症候群、心奇形による心拍出量低下
- Alagille - 心臓・目・腎臓・椎骨もチェック
- 染色体異常:21, 18, 13 トリソミーなど
- 体重増加不良、低蛋白血症、高アミノ酸血症:シトリン欠損症
- 膵炎、下痢:進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型
胆道閉鎖症
- 血中総胆汁酸 (>100μmol/L), γGTP (>100-200 IU/L)、総コレステロール高値, LP-X(+)が認められる。
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http://www.jspghan.org/icterus/01/1-1.html 黄疸の乳児を見たら - 日本小児栄養消化器肝臓学会 ↩