糖尿病
- 糖尿病検査も参照。
- 参: 小児科診断・治療指針
成人のインスリン導入
- 体重 x 0.3 を1日のNの量として朝:夕 = 2:1 に分配
- 体重 x 0.1 を各食前にログとして追加
- 目標: 150mg/dLとする
- 調節
- 0-50mg/dL オーバー: +2u.
- 50-100 〃: +4u.
- 100-150 〃: +6u.
- 食前がオーバー→半日前のNに追加
- 食後がオーバー→その時の食前のログに追加
- 30mixへの変更
- すべての単位を足して朝:夕の投与量を見て分ける
- N→持効型への変更
- 持効型から開始なら BW x 0.3 x 0.8 (Nより少なめに開始)
- Nからなら朝・夕のNの合計 x 0.8
- 輸液のGlu 5gにR 1u.を混注
DKAの初期治療
- DKAでなくても中等度以上の脱水、明らかな接触不良、尿ケトン体陽性のときは輸液・インスリン持続静注の適応となる。
- 食欲など全身状態が保たれている場合は輸液を行わずインスリン皮下注から開始する。
- ステップ1
- 輸液: 生食 10mL/kg/hr (Max: 30mL/kg)
- 輸液開始1時間後からインスリン持続静注開始0.1U/kg/hr
- 生食 50mL + ヒューマリンR 0.5mL = 1U/mL
- メイロンは脳浮腫の危険性を増加させるため、重度のアシドーシス(pH < 7.0), 心機能低下がなければ使用しない。
- 循環状態の改善、血糖 < 300mg/dLとなればステップ2へ
- ステップ2
- 輸液: 生食 250mL + 10% Tz 250mL を 4-6mL/kg/hr (GIR: 3-4)
- 修正Na (= 実測Na + 2 x 2 x (BS-100)/100)
が低下している場合は生食 500mL + 50% Tz 40mLへ変更
- 血糖及び血清Naの急激な低下は脳浮腫の発生のリスクが有る。
- 意識障害・頭痛・徐脈があればCTをまたずにD-マンニトール 0.5-1.0g/kgの投与
- K低下の時: 輸液 500mLに1M KCl 10mLを加える
- インスリンは0.1U/kg/hrで継続
- 血糖 < 250mg/dLとなれば0.05U/kg/hrへ原料
- アシドーシス改善、修正NaおよびKの正常化を確認すればステップ3へ
- ステップ3
- 輸液 S3A 500mL + 0.5M リン酸2カリウム 10mL 2-3mL/kg/hr ( or 維持量)
- インスリン持続静注: 血糖 100-200mg/dLを保つように調整
- 尿ケトン体陰性化・消化機能の改善を確認出来ればステップ4へ
- ステップ4
- 食事開始
- 食前(もしくは食直後)に超速効型インスリン0.1-0.2U/kgを皮下注
- 輸液: S3A上記組成を食事摂取に応じて減量
- インスリン: 血糖により調整して輸液終了出来れば中止してステップ5へ
- ステップ5
- 超速効型インスリン: 0.1-0.2U/kg/回, 毎食前
- 持効型インスリン: 0.2-0.4kg/回, 1日1回就寝前
- 上記のインスリンの配分は経験上知られた方法ではあるが、初期は少なめに投与して必要に応じて増やすほうが安全である。
- 特に、インスリン分泌が残存する症例では糖毒性の解除によって一時的に内因性分泌が改善されることを考慮する。
sick days
- 感冒その他で食欲が低下した場合でも1型糖尿病の場合はインスリン治療を中断してはならない。
- 応急的な対応の一例として、通常の基礎分泌相当量の半量程度を定時に投与。血糖を3時間毎に測って>200mg/dLであれば超速効型インスリンを適宜追加する。