原発性副甲状腺機能低下症
- PTHの低下 → 低Ca血症・高P血症
- 副甲状腺の臓器発生の異常
- カルシウム感受性の異常
- 免疫異常 (APS I型に伴うもの)
- PTHの異常
- 検査
- 低Ca血症 参照
- GFR - 腎機能低下によるもの
- 25(OH) VD - VD欠乏によるもの
- intact(whole) PTH
- intact PHT < 30 pg/mL -> 特発性副甲状腺機能低下症
- intact PHT > 30 pg/mL -> 偽性副甲状腺機能低下症 (Ellsworth-Howard試験を行う)
- 治療
- 低カルシウム血症のためにテタニー発作・けいれん、もしくはその危険性が高い時
- すぐにCaの補充を行う
- 慢性期の治療としては活性型VD製剤の補充が主
- 1α(OH)D~3~(アルファロール)と 1,25 (OH)2D~3~(ロカルトロール)の効力比は1:1.5くらい
- 1α(OH)D~3~: 0.05-0.1ug/kg/day
- 1,25 (OH)2D~3~: 0.03-0.08ug/kg/day
- 少量より漸増
- VDが十分であればカルシウムの併用はほとんど必要ない
- 高リン血症は低カルシウム血症の是正とともに改善する
- カルシウムの維持目標は 7-8mg/dL程度
- U-Ca/U-Crが0.3を超えないようにする
- S-Caが正常下限にもかかわらず高カルシウム尿症が続く場合はカルシウム感知受容体の異常を考えるべき
- 低カルシウム血症のためにテタニー発作・けいれん、もしくはその危険性が高い時
偽性副甲状腺機能低下症
- PTH受容体機構の障害により、低Ca高P血症を来す。
- PTH需要機構に介在するGsα蛋白(をコードするGNAS遺伝子 20q13.2-13.3)の異常
- GNAS遺伝子は大部分の細胞では両アリル発現であるが、特定の組織ではインプリンティングにより母性アリル優位に発現する。
- 病型
- 1型 - PTHに対してcAMPが増えない
- 1a型 - 円形顔貌・第4中手骨の短縮などのAlbright hereditary osteodystropathy (AHO)を合併する
- 1b型 - 上記を合併しない
- 1c型 - 遺伝子学的な分類で臨床的には 1a型と一緒
- 2型 - PTHに対してcAMPは増えるが、尿中P排泄は増えない (腎不全・低Mg血症・VD欠乏症などで見られる)
- 偽性偽性(PPHP) - AHOのみ
- 変異遺伝子が母由来 -> 1a型, 父由来 -> PPHP型
- 1型 - PTHに対してcAMPが増えない
- 治療
- 初期量
- 1α(OH)D~3~: 0.2ug/kg/day (成人: 4ug/day)
- 1,25 (OH)2D~3~: 0.1ug/kg/day (成人: 2ug/day)
- Ca濃度が1-2週間で上昇するため、その後半減して維持量とする
- 初期量
Albright's herediatry osteodystrophy (AHO)
- 円形顔貌・低身長・肥満・皮下あるいは軟部組織の異所性骨化
-
短指症
- 第4・5中手骨の短縮によるknucle dimple sign
- レントゲンでも短縮を確認する。
- 精神発達遅滞 (1a型)
- 他内分泌腺不応症
- 第4・5中手骨の短縮によるknucle dimple sign
Ellsworth-Howard試験 (PTH負荷試験)
- intact(whole) PTHが高値であれば行わなくても良い
- 1-34 PTH 100U/m^2^を静脈内投与
- 投与前後の尿中リン排泄・cAMP排泄の変化を観察する
- リン利尿効果: PTH投与前後2時間の差が 35mg/2hr以上 - 正常
- cAMPの反応: PTH投与前後1時間の差が 1umol/hr以上 かつ、比が10倍以上 - 正常
- 低Ca血症・高P血症