先天性副腎不全

1999-01-01 00:00 by kcrt

 

先天性副腎不全

種類

  • 先天性副腎低形成症
    • 副腎発生に関わる SF-1, DAX-1などによる副腎の分化がうまくいかない
  • 副腎酵素欠損症 (先天性副腎皮質過形成)
    • リポイド過形成症(Prader病) - StAR, P450scc
    • 3β-水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症
    • 21水酸化酵素欠損症 - 約1.5~2万人に1人と最も多い
    • 11β一水酸化酵素欠損症
    • 17α-水酸化酵素欠損症
    • 18-水酸化酵素欠損症
    • P450 Oxidoreductase 欠損症
  • 偽性低アルドステロン症
  • グルココルチコイド抵抗症
  • 原発性アルドステロン症
  • ACTH不応症

検査

  • ショック状態なら治療を優先する
  • 治療に先んじてまずは尿を採取しておく
  • 血液検査: 血糖, 血液ガス, 電解質, ACTH, 17-OHP, コルチゾール, アルドステロン, レニン活性, DHEA-S, テストステロン, 17OH-Pregnenolone (not progesterone)
  • 尿検査: 17-OHCS, 17-KS, 17-KGS 2分画, コルチゾール, プレグナントリオール
  • 染色体(疾患によってはXYで女性型生殖器になる可能性も有り得る)

結果

  • 17-OHプレグネノロン
    • 未熟児では17-OHプレグネノロン高値による見せかけの17-OHP高値がありうる
    • 副腎過形成患者であれば 17-OHプレグネノロン < 17-OHP
    • 胎児副腎遺残(3β-HSD活性の低い未熟な副腎)であれば 17-OHプレグネノロン > 17-OHP

治療

  • 新生児マス・スクリーニングで発見された先天性副腎過形成症(21―水酸化酵素欠損症)の治療指針(1999 年改訂)
  • 輸液 = T1 + 50% Tz適量で Halfsaline相当のNa, K-free, 適度のGIRの輸液を作る
    • 20-40mL/kgを2時間で投与
    • その後WQ 120-150で継続。
  • 副腎不全症状があればすぐに治療を
    • 初回 HDC 10-20mg/kg(MAX: 200mg)をすぐに投与する
    • その後、上記同量を24時間かけて持続または分割で投与する。
  • 高Kがあれば カルチコール・メイロン・GIも考慮
  • 副腎不全症状がなければ
    • HDC 100-200mg/m^2^/day 3xを経口で開始する
    • その後、5-7日毎に漸減し、3-4週間で維持療法へ持っていく
  • HDC減量して塩類喪失症状が出てくれば
    • フルドロコルチゾン 0.025-0.05mg/day 2x-3xで開始
      • 維持量は0.025-0.2mg/day
    • NaCl 0.1-0.2g/kg/day 離乳食が十分取れるまで継続
  • 維持療法 1
    • 乳児: HDC 20-40/mg/m^2^/day 3x
    • 幼児: HDC 15-30/mg/m^2^/day 3x
    • 学童: HDC 10-20/mg/m^2^/day 3x
    • 酢酸コルチゾンを使用する時には,1.25 倍量を使用する.
    • 成人ではHDCでコントロール困難な場合もありDEX, PSLが使われることも
      • 例えば、年長児でDEX 0.4mg 1x v.d.S.
    • 妊娠可能女性はDEXは使わない
    • + フロリネフ
    • 発熱などストレス時は2-3倍量を内服する
  • コントロールの目安
    • 適正な身長増加がある
    • 異常な体重増加がない
    • 異常な骨年齢促進がない
    • 外陰部・乳輪・歯肉・腋窩・首・手の爪・手指の背側などに色素沈着がない
    • 男性化徴候がない(女児)
    • 電解質は血清電解質(Na,K)を正常範囲に保つことを目標とする.ただし,新生児期に血清 K を 5.5 mEq/L以下に保とうとすると,鉱質コルチコイドの過剰となることがあり,ほかの検査値が正常であれば,多少の高 K 血症(5.5~6.0)についてはこだわる必要はない。
    • 尿中プレグナントリオール(P3)は思春期前: 0.15~2.0mg/m^2^/day、思春期: 3mg/日、成人女性: 5mg/日、成人男性: 6mg/日
    • 尿中17KGS 2分画は11deoxy/11oxy比が0.5~0.8以下
    • 血中17-OHPが1日を通して1~10ng/ml
    • 血漿ACTHが極端な高値ではない(極端な高値は投与不足の可能性)
    • 血漿レニン活性を正常上限に維持する
      • ただし、新生児期・乳児期は正常時でも高値であるため参考に留める。
      • 乳児期以降は 5 ng/ml/h(安静時採血)以下に保つようにする。ただし,0.5 ng/ml/h 以下の時には,鉱質コルチコイドと食塩の過剰投与を示すものである。
    • 血中DHEA-S、血中・尿中テストステロン、尿中17KS、尿中エストロゲンの異常な上昇を認めない
  1. 小児内科40増 

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