原発性免疫不全症候群

1999-01-01 00:00 by kcrt

 

原発性免疫不全症候群

原発性免疫不全症を疑う10の徴候

  1. 乳児で呼吸器・消化器感染症を繰り返し、体重増加不良や発育不良が見られる。
  2. 1年2回以上肺炎に入る
  3. 気管支拡張症を発症する
  4. 2回以上、髄膜炎・骨髄炎・蜂窩織炎・敗血症や皮下膿瘍・臓器内膿瘍などの深部感染症にかかる。
  5. 抗菌薬を服用しても2ヶ月以上感染症が治癒しない
  6. 重症副鼻腔炎を繰り返す。
  7. 1年に4回以上、中耳炎にかかる。
  8. 1歳以降に、持続性の鵞口瘡・皮膚真菌症・重症/広範な疣贅がみられる。
  9. BCGによる重症副反応(骨髄炎など)、単純ヘルペスウィルスによる脳炎・髄膜炎菌による髄膜炎、EBウィルスによる重症血球貪食症候群に罹患したことがある。
  10. 家族が乳幼児期に感染症で死亡するなど、原発性免疫不全症候群を疑う家族歴がある。

診断の手順

  1. Stage 1
    • 病歴(感染歴、家族歴を含む)ならびに理学所見(リンパ節、肝脾腫、皮疹など)
    • 身長・体重(SD値)
    • 血算ならびに白血球分画(好中球、リンパ球、単球)
      • 絶対数で評価、形態にも注意
    • 血清 IgG, A, M(年齢相当の標準値と比較)
    • 補体価(CH50, C3, C4)
      • 回復期にチェック
  2. Stage 2
    • 特異抗体産生(破傷風・ジフテリアなど)
      • 麻疹・風疹・水痘・ムンプスの既往あるいはワクチン接種歴があればそれらの抗体価測定も有用
    • リンパ球表面マーカー(CD3/4/8/19/16/56)
      • できればT細胞ならびにB細胞のメモリーナイーブ細胞も調べる
  3. Stage 3
    • ツ反(BCG接種後)
    • リンパ球増殖反応(PHAならびにConA刺激)
      • S.I.はもちろん絶対数も見る
    • NK活性
      • 低かった場合には要再検、NK細胞数チェック
    • IgGサブクラス測定(年齢相当の正常値を参照)
      • IgG2は現在保険適応
    • 好中球殺菌能試験
      • 外注検査の場合プロファイルを見る
      • 必要ならレファレンスラボに検査依頼
        • 北海道大学・東京医科歯科大学・成育医療センター・富山大学・金沢大学・広島大学・宮崎大学など
  4. Stage 4
    • 好中球解析 (CD11, 18などの表面糖蛋白)・抗好中球抗体
    • ADA, PNP活性
      • リンパ球のADA活性を測定(北大・東京女子医大)
    • FACSによる責任蛋白の発現
      • WAVS, CD40L, BTK, SAP, XiAP, FOXP3など
    • TREC, KREC定量 (防衛医科大・東京以下しか)
    • PIDJを通して遺伝子解析

At your own risk!

この文章に掲載されている内容は、個人のメモとして過去に作成された物であり、内容に関して保証はありません。

Sorry, private only...

このページの内容は、個人のメモとして利用するために作成された物で、一般に対して公開しているものではありません。また、記載についてアップデートされているとは限らず、現状にそぐわない古い情報が含まれている可能性があります。
それでも見る...