腎機能検査
腎エコー検査(水腎症)
- Grade 0: 腎盂が確認できない。
- Grade 1: 軽度に腎盂を認める。
- Grade 2: 拡張腎盂は腎内に限局。腎杯の拡張はない。
- Grade 3: 拡張腎盂は腎外まで進展。腎杯も拡張。
- Grade 4: 腎盂腎杯の拡張高度。実質の厚さは菲薄化
排尿時膀胱造影(VCG: voiding cystography)
- 推定尿量: (Age + 2) x 30
膀胱尿管逆流(VUR: vesicoureteral reflux)の分類
- I: 尿管のみ逆流がある
- II: 腎杯まで逆流があるが、拡張を認めない
- III: 腎杯まで逆流があり、尿管や腎盂の拡張を認める
- IV: 尿管の屈曲蛇行を伴う逆流があり、腎杯の拡張を認める。腎盂辺縁角は完全に鈍化しているが、大部分の腎杯乳頭部の形態は保たれている。
- V: 尿管の著しい屈曲蛇行を伴う逆流があり、腎杯の著しい拡張を認める。
-
Pediatr Radiol 15: 105-109, 1985
- I-IIの軽度VURは尿路感染の有意なリスクファクターではない。
米国泌尿器科学会による5年間の予防的抗菌療法におけるVUR自然消失率
Reflux grade | - | - | 自然消失率(%) |
---|---|---|---|
I | - | - | 91.8 |
II | - | - | 80.6 |
III | 片側性 | 0〜2歳 | 70 |
- | - | 2〜5歳 | 51.3 |
- | - | 5〜10歳 | 43.6 |
- | 両側性 | 0〜2歳 | 49.3 |
- | - | 2〜5歳 | 30.5 |
- | - | 5〜10歳 | 12.5 |
IV | 片側性 | - | 40 |
- | 両側性 | - | 9.9 |
レノグラム
- ^99m^Tc-MAG3
- 腎尿細管に高率に取り込まれ、排泄されます。
- 有効腎血流量を反映する
- 利尿を促すために検査前に水分負荷を行う。
- 小児: 2時間前からソルラクト/デノサリンで10mL/kg/hrで負荷
- 成人 1時間以内に5mL/kg, 経口でも可
- 検査前に排尿を促す
- 小児: それが不可能な場合は予めバルーンを入れておく。
- 静注直後〜30/60分間動態撮像する。
- 利尿を促すために、開始10分の時点でfurosemideを投与する(当院)
- 幼児: 1mg/kg
- 1-16歳: 0.5mg/kg
- 成人: 0.8mg/kg, max: 40mg
- RIの20分後に打つ方法と、RI投与15分前に打つ方法も
- 閉塞がなければ腎盂から10-15分で半分が排泄される。
- 分腎機能を評価できる。
DMSAシンチグラフィ
- ^99m^Tc-DMSA
- 2,3-dimercaptosuccinic acidは腎皮質に特異的に集積し、尿中に分泌が少ない(6hrで10-20%)
- 物理的半減期: 6時間
- 集積は健常腎では1時間で50%, 2時間でほぼMaxへ
- 検査のメリット
- 分腎機能を検べることができる
- 腎瘢痕の検出に有用である
- 形態や位置(遊走腎・馬蹄腎)などを診断できる
- 検査のデメリット
- 腫瘍・嚢胞も取り込み低下を示すので、瘢痕と区別できない
- 分解能が高くない
- 方法: ^99m^Tc-DMSAを投与して1-4時間後に背面像、左右後斜位像を撮影する。
- 投与量
- 成人: 185MBq/body
- 小児: 1.85MBq/kg または 成人量 x (age+1)/(age+7)
- 1歳で23MBq, 2歳で61MBq
- 腎摂取率(%)=(U-B)/Q/K
- U(R or L): 右または左腎におけるカウント数
- B(R or L): バックグラウンドカウント数
- Q: 総投与量
- K:
腎臓の深さによる減少係数(深いところにあるとカウントが減るため)
- = 0.82 x Wt[kg] - 0.36 x Ht[cm] - 0.06 x Age[y.o.] + 61.08
- (腎の深さ) D[cm] = 2.366 + 0.083W-0.281H (0-9歳)、ただしエコーによる評価が好ましい
- 基準値
- 健常成人の99mTc-DMSA腎摂取率(両腎)は40~50%前後です。ただし算出方法や撮像開始時間により値は変動します。
- また、乳児および小児は成人よりも若干高く算出され、高齢者では値が低下します。 1