脳波
1999-01-01 00:00 by kcrt
脳波
| 名前 | 周波数 |
|---|---|
| δ波 | 0.5-4Hz |
| θ波 | 4-8Hz |
| α波 | 8-13Hz |
| β波 | 13Hz以上 |
- 徐波 = θ波 + δ波
- 覚醒状態の成人の安静閉眼時にはほとんど出現しない
- 幼少児の脳波・睡眠時・病的状態などで見られる
- 速波 = β波
- spike 棘波 と sharp wave 鋭波
- 20-70ms = spike
- 70-200ms = sharp wave
- 背景脳波とは区別される
- 正常脳波
- 成人では後頭部優位のα波を主体として、前額部に低振幅β波の混入が見られる。
- 開眼でα波は消失する (α blocking)
- 小児では成人と比べ高振幅で周波数が多く、不規則で左右差が目立つ
- 1歳で5Hz以上, 3歳で6Hz以上, 5歳で7Hz以上, 8歳で8Hz以上が正常の目安
モンタージュ
- 鼻根, 後頭結節, および左右耳介前点を計測して、それぞれの中点よりCzを求める。それを10, 20, 20, 20, 20, 10%に分割して電極を配置する。
- 奇数が左, 偶数が右
| 電極記号 | 名称 | 解剖学的部位 |
|---|---|---|
| Fp1, Fp2 | front polar | 全部前頭葉 |
| F3, F4 | frontal | 運動野 |
| C3, C4 | central | 中心溝 |
| P3, P4 | parietal | 感覚野 |
| O1, O2 | occipital | 視覚野 |
| F7, F8 | anterior-temporal | 下部前頭部 |
| T3, T4 | mid-temporal | 中側頭葉 |
| T5, T6 | posterior-temporal | 後側頭葉 |
| A1, A2 | auricular | 耳介 |
| Fz | mimdline frontal | |
| Cz | vertex | |
| Pz | midline parietal |
睡眠脳波
- 脳波は睡眠に酔って波形が変わり、睡眠の深さに応じて特徴的な脳波パターンを示す。
- また、睡眠中はてんかん発生波の出現率は高くなるため診断に有用である。
| 睡眠段階 | 所見 |
|---|---|
| 覚醒期 | α波、低振幅速波、急速眼球運動、高振幅筋電図 |
| Stage I 入眠期 | α波は50%以下、低振幅の種々の周波数の混在、瘤波、遅い眼球運動、筋緊張やや低下 |
| Stage II 軽睡眠期 | 低振幅不規則θ〜δ波、高振幅徐波なし、瘤波、紡錘波、K複合 |
| Stage III 中等度睡眠期 | 2Hz以下75uV以上の徐波が25-50%、紡錘波は周波数が遅くなり、より広範囲に出現 |
| Stage IV 深睡眠期 | 2Hz以下75uV以上の徐波が50%以上、紡錘波(±) |
| Stage REM REM睡眠 | Stage Iと同様であるが瘤波はない、急速眼球運動と筋緊張低下 |
覚醒期
- α波と低振幅で周波数の速い種々の波が混在したパターンを示す
- 高振幅筋電図
入眠期・軽睡眠期初期
- α波の連続性が次第に悪くなりとぎれとぎれになり、ついには消失する
- 低振幅の4-6Hz(θ・β波)が出現して脳波は全体としてさざなみをうっているような印象になる
- Stage I 後期・Stage II初期には瘤波(hump, vertex sharp wave)が出現する。両側の中心〜頭頂部優位に著明に現れる。
- 小児では、入眠期過同期性θ派(hypernagogic hypersynchronous θ); 全般性に高振幅徐波が持続性あるいは突発性に出現する。
軽睡眠期
- 瘤波が出現する時期に続いて、14Hz前後の紡錘波(spindle)が出現する。
- 瘤波と紡錘波が混合して現れ、更に睡眠が深くなると、瘤波が消失して紡錘波のみが出現する。
- K-complex: 瘤波と紡錘波が結合したような波
- 瘤波・紡錘波は年齢が進むに連れ低振幅となり、60歳以上の高齢者では20%前後にのみ見られる
- POSTS(positive occipital sharp trangent of sleep): 両側後頭部に左右同期性に4-6Hzの陽性鋭波が律動性に出現することがある。
中等度睡眠期
- 2Hz以下、75uV以上の徐波(丘波 hill wave)が20%~50%以下を占める
- 紡錘波は出ないこともある。出現するときも周波数が遅い(12Hz前後)のものが多くなってくる。
深睡眠期
- 丘波が50%以上を占める
- 深度が深くなると紡錘波は消失する
REM睡眠期
- Stage Iに似た比較的低振幅の角周波数が混合した脳波と急速眼球運動が見られる。
- 筋緊張の低下あり
- 心拍数・呼吸数の変化があり夢を見ていることが多い
- 入眠して90分程度経過するとREM睡眠となり20-30分持続する。
- Wake->I->II->III->IV->REM->I->II-> ...