梅毒
- 参考: 現代の梅毒
後天梅毒
- 皮膚病変から得られた検体のパーカーインキ染色・直接免疫蛍光法でTreponema pallidumの存在が確認されたら確定
- 非トレポネーマテスト
- Tpの脂質抗原であるカルジオリピンに対する抗体を利用したVDRL法(venereal disease research laboratory; 沈降反応)・RPR法(Rapid plasma reaction; 凝集反応)などのSTS(Serologic tests for syphilis)がよく用いられる。
- 両方ともカルジオリピン-コレステロール-レシチン抗原に対する抗体価を測定するもの
- 感染後 2-4週後に陽性なので、初期の早期梅毒や潜伏梅毒・後期先天梅毒では偽陰性となる
- あまりにもRPR・VDRLが高い場合(特に再感染で多い)も偽陰性となる(前地帯現象; 抗体が多すぎてうまく架橋されず検査陰性)
- 妊婦や膠原病では偽陽性 BFP(Biological false positive)を来す場合がある(5-20%)、ただし1:8を超える場合はまれ
- トレポネーマテスト
- Tp抗原を用いたテスト
- TPHA(treponema pallidum hemagglutination)とFTA-ABS(fluorescent treponemal antibody-absorption)がある
- 治癒しても障害にわたって陽性
STS | TPHA | |
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- | - | 非梅毒、きわめて初期の梅毒 |
+ | - | 初期梅毒、生物学的偽陽性 |
- | + | 梅毒治癒後、陳旧性梅毒、偽陽性 |
+ | + | 梅毒、治療後早期 |
先天梅毒
- 病変部・胎盤・臍帯・剖検検体からの標本を暗視野顕微鏡・蛍光抗体法などでTreponema pallidumの存在を確認する
- 母親の抗体価が4倍以上上昇
- 新生児の抗体価が母親より4倍以上高い
- 児の非トレポネーマテストとトレポネーマテストが共に陽性
- IgGは移行抗体が有るためIgM-FTA-BAS定量, IgM-TPHA定量を行う
- Hutchinson切歯: 妓夫太郎 ((上限の陸))