抗原抗体検査
PHA or PA (Passive hemagglutination/Particle agglutination 受身凝集反応)
抗原を粒子表面に結合させておき、そこに血清を加えたときの粒子の凝集を見ることで、血清中の抗体の有無を判定する。 IgM抗体はPHA活性の効率がよい。一方、早期低親和性IgG抗体はPHA活性は低い。 粒子に赤血球を用いた古典的な方法は間接赤血球凝集反応 (IHA) とよばれる。
CF (補体結合反応)
基本的にIgGを見る。感作済みのヒツジ赤血球・補体・ウィルス抗原・患者血清を混ぜる。患者血清に抗体がなければヒツジ赤血球は補体によって溶血する。患者血清に抗体があればウィルスの抗原抗体複合物ができ、補体がそちらに消費されることで溶血しない。 CF値が高ければ最近の感染があって血中の抗体価が高いことを意味する。 IgAは補体活性化をしないため測れない。IgMがCF活性を持つのは70nm以上の大型ウィルス(ロタ・ヘルペスなど)のみである。
HI (血球凝集抑制反応)
赤血球凝集能を持つウィルスと患者血清を混ぜておいて凝集が抑制されるかをみる。CFより早期に上昇し、長時間持続する。 早期に上昇するため、発症から時間が立っている場合はペア血清の前値とできない。
NT (中和反応)
ウィルスを患者血清にさらし、培養細胞への感染力を見る。感度・特異度ともに高く、型別診断が出来る。ただし、結果が出るまでに時間がかかる。
FA (間接蛍光抗体)
ウィルス抗原と患者血清を反応させ、蛍光検出する。感度は良くないが特異度が高い。
EIA (酵素免疫吸着反応)
ELISA。IgM, IgG, IgAいずれも測定ができ、高感度で定量もできる。IgMがEIAで検出されれば単一血清でも初感染と証明できる。
WB (ウェスタンブロット)
蛋白の存在検出。特異度が極めて高いため、HIVの確定診断などに使われる。
参考文献
http://plaza.umin.ac.jp/~ihf/memo/bedside/vaccination2008.pdf