糖尿病検査

1999-01-01 00:00 by kcrt

 

糖尿病検査

糖代謝の判定区分と診断

  • 糖尿病型 ( ≠糖尿病)
    • FBS ≧126mg/dL
    • OGTT 2hr ≧200mg/dL
      • OGTT 1.75g/kg (Max: 75g)
    • 随時BS ≧200mg/dL
    • HbA~1c~(NGSP) ≧ 6.5%
    • いずれかを認めた場合は糖尿病型と判定
  • 正常型
    • FBS < 110mg/dL かつ OGTT 2hr < 140mg/dL
  • 境界型
    • 糖尿病型でも正常型でもないもの
    • HbA~1c~(NGSP)
      • 6.0-6.4%: 糖尿病の疑いが否定出来ない
      • 5.6-5.9%: 将来糖尿病発症のリスクが高い
  • 血糖値とHbA~1c~ともに糖尿病型→糖尿病確定
  • 血糖値のみ糖尿病型
    • 症状または糖尿病網膜症あり→糖尿病確定
    • なし→再検査
      • 再検査で血糖またはHbA~1c~どちらかが糖尿病型→確定
      • どちらも正常→3-6ヶ月後再検
  • HbA~1c~のみ糖尿病型→再検査
    • 再検査で血糖が糖尿病型→確定
    • 再検査でHbA~1c~のみ糖尿病型もしくは正常→3-6ヶ月後再検

インスリン分泌能・抵抗性の指標

  • グルカゴン負荷試験
  • OGTTでのインスリン分泌指数
    • II(insulinogenic index) = ⊿IRI(30min.-0min.) / ⊿BS(30min.-0min.)
    • <0.4: インスリン初期分泌低下
    • 境界型でもII<0.4なら糖尿病への進展率が高い
  • HOMA-β
    • インスリン分泌能の指標
    • HOMA-β = (IRI x 360) / (FBS - 63)
    • ≦50: 分泌能低下
  • HOMA-IR homeostasis model assessment insulin resistance
    • インスリン抵抗性の指標
    • HOMA-IR = IRI(uU/mL) x FBS / 405
    • 成人: 正常は1.6以下。2.5以上でインスリン抵抗性あり。
    • 思春期でobese: 3.16以上1でインスリン抵抗性あり。
    • non-obese Japanese children without diabetes 2
      • prepubartal: 1.4±0.7
      • pubertal: 2.3±0.8
    • 思春期前のHOMA-Rカットオフ値は治験が少ない
    • FBS ≧140mg/dL以上の場合は参考値

激症1型糖尿病の診断基準

  • 1−3のすべてを満たす
    1. 糖尿病症状発現後1週間前後以内で、ケトーシスあるいはケトアシドーシスに陥る
    2. 初診時の随時血糖値が 288mg/dL以上であり、かつHbA~1c~ < 8.1%である
    3. 発症時の尿中Cペプチド <10ug/day or (空腹時血清Cペプチド < 0.3ng/mL and 負荷CPR < 0.5ng/mL)
  • 参考所見
    • 原則としてGADなどの膵島関連自己抗体は陰性
    • ケトーシスと診断されるまで1-2週間の症例も存在する
    • 98%の症例で血中膵外分泌酵素(Amy, Lip., エラスターゼなど)が上昇している
    • 約70%に前駆症状として上気道炎や消化器症状あり
    • 妊娠に関連して発症することがある

C-ペプチド(CPR)

  • 空腹時 CPR < 0.5-0.6ng/mL
  • グルカゴン負荷試験 (糖尿病検査)で<1.0ng/mL
  • 24hr 尿中CPR < 20ug
  • が参考になる。
  • 緩徐進行形1型糖尿病の初期は比較的β細胞機能が保持されている(グルカゴン負荷試験で<3-4ng/mL, 24hr U-CPR <40ng)のでその後の臨床経過を追って評価する必要がある。
  • 尿中Cペプチドの排泄は食事内容などの影響で変化する

膵島関連自己抗体

  • GAD抗体: 70-80%
  • IAA抗体: インスリン治療開始前に図る必要あり
  • IA-2抗体: GAD(-)症例にのみ保険適応
  • ZnT8抗体
    • のいずれか、あるいは複数が出現する。
  • 80-90%の症例でいずれかの膵島関連自己抗体が検出される
  • ただし、5歳未満ではGAD: 32%, IA-2 47%と低率

血糖コントロールの指標

  • HbA~1c~(NGSP)(%) = 1.02 x JDS(%) + 0.25
  HbA1c(NGSP) グリコアルブミン(GA) 1,5-AG
正常範囲 4.6-6.2% 12.4~16.3% >14.0g/dL
目標 優: <6.2% <20% 優良: 10-13.9以上
期間 3ヶ月間 3週間 直近数日間
適さない時 貧血・赤血球寿命短縮 アルブミン代謝異常(甲状腺機能異常・ネフローゼ・ステロイド使用中) 明らかな糖尿病(すぐに低値になるため)
その他   GA ≒ HbA1c x 3 食後のみ(短時間)の高血糖でも低下(尿糖を反映), HbA1c 4-6あたりの変化を反映
  1. Keskin M, et al. Pediatrics 2005; 115: e500-3 

  2. Clin Pediatr Endocrinol 2011; 20(1), 1-6 

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