リンパ球幼若化試験
- リンパ球をmitogen"分裂促進因子"で刺激して、細胞性免疫能を検査する。
- Phytohemagglutinin(PHA) -> CD4
- Concanavalin A(ConA) -> CD8
- Pokeweed mitogen(PWM) -> T・B両細胞の機能を反映
- DLST -> 薬剤を使用する
- リンパ球はmitogenの刺激によって幼若化を起こし、DNA合成が盛んになる。
- 幼若化 "blastogenesis" - 成熟したリンパ球はそれ以上分裂増殖することはないが、対応する特定の抗原に出会った場合など、形態的に成熟前の形(幼若な細胞形態)をとり細胞分裂により増殖するようになる。この現象を幼若化という。
- 具体的には、DNA合成が盛んとなると、DNAの前駆物質であるThymidine(dT;
デオキシリボース +
チミン)が細胞内に取り込まれる。放射性同位元素である^3^H(トリチウム)で標的した^3^H-サイミジンのリンパ球への取り込みを測定することでリンパ球機能検査を行うことが出来る。
- チミジン以外のdA, dG, dCはRNAへの取り込みも起こるため、DNA合成を反映しない。
- RNAはウラシルが使われているため、^3^H-dTの取り込みは良好にDNA合成を反映する。
- 採血後の保存方法としては室温が望ましい。提出日に制限があるため注意。
- S.I. stimulation index = 刺激した時の吸光度 / 非刺激時の吸光度 (x 100)
- DLST
- 欧米では2-3以上を基準としている
- いずれの希釈においてもSI値が180%を超えれば陽性と判定されます。しかしながら、必ずしも180%で確実に陽性、陰性が分かれるわけではありません。原因薬剤を添加していないコントロール値が1000cpm以上の場合は、SI値が160%程度でも陽性とみなせます。逆にコントロール値が100cpm以下の場合には、リンパ球が非特異的に障害を受けている可能性があるのでたとえ180%以上であっても原因薬と断定しづらくなります。 1
- PGE2産生を抑制する薬剤(例えばNSAID)の場合は見かけ上の陽性があるため要注意