SDSページによる電気泳動
準備する物
- ポリアクリルアミドゲル
- 電気泳動層
- 電源
- ヘラ
- サンプル
- サンプルバッファ
- スタンダート
- 泳動バッファ
- 固定液(10%酢酸)
- 染色液
- 脱色液
- タッパー
手順
サンプルの調製
- サンプルをサンプルバッファーで5倍以上(5-10倍)に希釈する。
- 例: サンプル 5µL + サンプルバッファ 45µL
- スタンダードは、20倍に希釈する
- 例: スタンダード 2µ L + サンプルバッファ 38µL
- 沸騰水中で約5分間加熱する
サンプルの濃度の考え方
- タンパク質の質量が多すぎると泳動パターンが乱れ、少ないと薄くて見えない。
- 1レーン中のタンパクを10-20µg以下に調整する。
- また、CBB染色やウェスタンブロットには、バンド1本あたり、0.1-0.5µgが適当である。
- たとえば
- 卵白タンパク 20mg/mLのサンプルを10倍希釈して10µL分を1レーンに使用すれば、20µg。
泳動用のポリアクリルアミドゲルについて
- ゲルを自前で作成する方法もあるが、研究室では、TEFCOのSDS-PAGE mini 14% 1.0mm 10well(01-085-10), 1枚2000円を使用している。
ゲルの濃度
- ゲルには濃度が均一な物(isocratic)と、濃度勾配をもつ物(gradient)がある。濃度勾配の着いている物は、広い範囲のタンパクを確認することが出来るが、解釈が難しい。
- 目的となる分子量に基づいて、濃度を決定する。濃度が濃いほど軽い分子が対象となる。
- 通常だと、広い範囲のタンパク質を対象に14%あたりが選ばれることが多い。
- ゲルは、ウェル(穴)に近い上部が濃縮ゲルになっていて、スタートを揃える役割をしている。
| ゲル濃度 | 最適分画範囲(KDa) |
|---|---|
| 4-20% | 5 - 300 |
| 4-12% | 35 - 300 |
| 8-16% | 10 - 250 |
| 10-25% | 5 - 200 |
| 4% | 150 - 350 |
| 6% | 60 - 250 |
| 8% | 40 - 180 |
| 10% | 30 - 130 |
| 12% | 23 - 100 |
| 14% | 18 - 80 |
| 15% | 16 - 70 |
| 16% | 14 - 60 |
| 18% | 11 - 50 |
| 20% | 8 - 40 |
ゲルの組成 (14%の例, 2枚分)
| 内容物 | 14% |
|---|---|
| 30% アクリルアミド混合物 | 7mL |
| H₂O | 0.3mL |
| 0.75M Tris-HCl (pH8.8) | 7.5mL |
| 10% SDS | 150mcL |
| TEMED | 12mcL |
その他
染色液
| 染色液 | 合計500mL |
|---|---|
| 色素 | 0.5g |
| メタノール | 200mL |
| 酢酸 | 50mL |
| 水 | 250mL |
脱色液
| 染色液 | 合計500mL |
|---|---|
| メタノール | 50mL |
| 酢酸 | 37.5mL |
| 水 | 412.5mL |
泳動バッファ
| 泳動バッファ | 合計 500mL |
|---|---|
| 10倍泳動バッファ | 50mL |
| 10% SDS | 5mL |
| 水 | 445mL |