NICUの薬
蘇生用薬剤
ボスミン adrenaline
投与方法
- 10倍ボスミンとして投与、ボスミン 0.1mL + 生理食塩水 0.9mL
- 0.3-1.0mL/kg 気管内投与
- 0.1-0.3mL/kg 静注
- 急速投与、3〜5分間隔で反復投与。
メイロン sodium bicarbonate
- 7%メイロン1A: 20mL
投与方法
- 7%メイロンを蒸留水同量で溶解してハーフメイロンとする
- ハーフメイロンを|BE| x 体重 / 3 [mL]投与、2分以上かけて
- 血液ガスデータがなければ2mEq/kg ( = 2.4mL/kg)
メモ
- 1mEq = 1.2mL
- 持続投与の場合は上記量を1-2hr程度でdiv
呼吸管理薬
アプニション・アプネカット aminophyllin and theophyllin
- アプニション: 1A(3mL): 15mg ( = 5mg/mL )
- アプネカット: 10mg/2.5mL ( = 4mg/mL, 体重あたり1mL投与で4mg/kg)
投与方法
- 2~4mg/kgを一日2~3回に分けて点滴静注
- 例
- 体重1kgで4mg/kg/dose投与する場合
- アプニション 0.27mL ( = 1.35mg ) を1日3回静注(ワンショット)
- 内服なら、アプネカット 1mL 分3 (コメント欄に0.35mL 1日3回などと記載)
メモ
- 目標血中濃度 4-8ug/dL
- 副作用: 頻脈、尿量増加・低Na血症・腹部膨満
- 初回1日量loadingすることあり
- アミノフィリン…テオフィリンは単独では水に溶けにくいので、エチレンジアミンという成分と混ぜて溶けやすくしたもの。アミノフィリン 1g = テオフィリン 0.8gに相当。
- 年長児では肝代謝だが、新生児では腎臓からの排泄が主。
レスピア anhydrous caffeine
- 60mg/3mL 1A 静注・経口兼用
投与方法
- 初回投与:通常、20mg/kg を30分かけて静脈内投与。
- 維持投与:初回投与から24時間以降に、通常、5mg/kg
を1日1回、10分かけて静脈内投与、又は経口投与。
- なお、症状に応じて10mg/kg まで増量できる。
メモ
- キサンチン製剤に比べて厳密な血中濃度調整を必要としないというメリットがある。
サーファクテン bractant, surfactant; S-TA
投与方法
- 120mg (1V)を生理食塩水 4mLに溶解して経気管的に数回に分けて投与する。
用意するもの
- 5mL シリンジ
- 21G, 26G
- 生理食塩水20mL
- 体重 1kg以上の場合は10mLシリンジなども準備
メモ
- 1V 99,433円
循環作動薬
インダシン indomethacin
- 1A: 1mg
- 0.1, 0.2 or 0.25mg/kg/dose
投与方法
- 1mg(1A)を蒸留水に溶解して0.2mL/hrで6時間投与(場合によっては1時間, 2時間で投与の時も)
- フィルターを通さないこと
- 例
- 体重1kgで0.1mg/kg/dose投与する場合、1mg(1A)を蒸留水12mLに溶解
- 0.2mL/hrで6時間( =1.2mL = 0.1mg)
メモ
- 投与前の血糖低めなら予めGIRを上げておく
- 投与終了後に血糖チェック
- 12時間間隔で投与、次の投与の前にエコーでPDAを確認
- 1クール3回まで、初回は基本的に0.1mg/kg/doseで投与。2回目以降はエコー所見等と相談。
- 副作用: 低血糖・腎障害(尿量注意)・消化管穿孔・血小板機能障害
フロセミド(ラシックス) furosemide
- 1A = 20mg/2mL
- または 4%細粒
投与方法
- 0.5~1.0mg/kg/dayを分2静注または内服。症状や尿量に応じて増量。
- 初回は0.5 or 1.0mg/kg/doseを一度使用してみて尿量の変化などを確認することが多い。
- 内服の場合・低Kがある場合は同量のK保持系利尿薬 アルダクトンspironolactoneを併用することが多い
メモ
- 低Na・低K血症を来す
- 肺水腫による酸素化不良などにも使用
- 体循環血流量を落とすので腸管血流を減らしてしまう可能性もあり。SMA flowなども確認。
パルクス(リプル) lipo-PGE1, alprostadil
投与方法
- ブドウ糖液などに溶解して、2ng/kg/min.で開始。肺血流を見ながら、適宜増減量
- フィルター使用不可、PICCからの投与時はヘパリン併用不可。
メモ
- 副作用) 無呼吸発作、発熱、血小板減少
- 脂肪製剤であり感染に注意
神経・抗てんかん薬
コンクライトMg magnesium
- 1A = 20mL (20mEq)
- 硫酸マグネシウム7水和物として2.47g/20mL = 0.1235g/mL
- 当院採用のジェネリックは硫酸Mg補正液1mEq/mL
- マグネゾール(マグセント)とは保険適応が違うので要注意
脳低温療法に対する投与方法
- 250mg/kg/dose( = 2mL/kg/dose) を同量の蒸留水に溶解し2時間で投与。24時間毎に3日間。
- 例
- 体重1kgの場合、
- コンクライトMg 2mL + 注射用蒸留水2mL (4mL)を2mL/hrで投与
メモ
- 副作用: 血圧低下、可能ならA-line確保して観血的血圧モニタリング
- カルチコールは神経障害を悪化させる可能性があるのでできるだけ使用しない
ノーベルバール phenobarbital
- 1A: 250mg
投与方法
- 初回投与 15-20mg/kg/dose 緩徐に静注 (実際は10mg/kg程度)
- 維持量: 4mg/kg/day 2x 血中濃度と症状を見て増量
- 出生体重1500g以下: 水25mLで溶解して 1mL = 10mgとする
- 上記以外: 水10mLで溶解して1mL = 25mgとする
- 例
- 体重1kgで15mg/kg/doseを投与する場合、
- 水25mLに溶解して1.5mL投与
メモ
- 半減期は2.5日
- 血中濃度採血は投与前
- 溶解後は6時間使用可能
麻酔・鎮静薬
トリクロリールシロップ triclofos sodium
投与方法
- 0.7mL/kg/dose
メモ
- 脳波に影響少ない。そのためABRの際の鎮静としても使える。
- ただし、Active Sleepが少なくなるのでパターンをみるのには適さない。
プロポフォール propofol
投与方法
- 1.0mL/kg/hrで開始して、入眠したら(もしくは10分くらいで)維持量0.5mL/kg/hrに変更。
メモ
- 心血管系の抑制効果があるので、入眠前・入眠後・終了後に血圧測定を行う
- 呼吸抑制もあるので必ずバッグバルブマスクなどを準備しておく
フェンタニル0.1mg/2mL fentanyl
- 1A 2mL = 100ug
投与方法
- 鎮静として使用する際は0.5-1.0ug/kg/hrから開始、症状・体動に応じて増減
- 例
- 体重1kgの場合、
- フェンタニル 1mL + 5%Tzなど 19mLにすれば、2.5ug/mL
- 0.2mL/hrで0.5ug/kg/hr
- 体重3kgの場合、
- フェンタニル 2mL + 5%Tzなど 30mLにすれば、3.125ug/mL
- 1.0mL/hrで 1.04ug/kg/hr
- 体重1kgの場合、
- 麻酔として使う場合は、1-3ug/kg/doseを初回に使用。手術時間が3時間を超える場合は初回量の1/2-1/3を追加投与する。
メモ
- オーダー時は更新となる時間とフェンタニルが何A残っているかを確認
- フェンタニル 1A(2mL) を (100/体重[kg]-2) [mL] で溶解すれば1.0mL/hrで1.0ug/kg/hrとなる。
マスキュラックス
- 0.1mg/kg/dose
- 40-60分後に1/2-1/3を追加投与
抗生剤・抗菌薬
ビクシリン ampicillin; ABPC
投与方法
- 標準量は100mg/kg/day 3x。重症では200mg/kg/day 4x。
- 注射用蒸留水で溶解。
アミカシン amikacin; AMK
投与方法
- AMK 7mg/kg/day 2x。
- 注射用蒸留水および5% Tzで溶解する。
エラスポール 好中球エラスターゼ阻害剤; Sivelestat Sodium Hydrate
- 100mg/V 粉末
- 重症な子宮内感染症が考えられる場合
投与方法
- 10% Tz 10mLなどで溶解して使用
- 0.2mg/kg for 1hr
シナジス
- 4kgまで50mg/V
主輸液・電解質補正・ビタミン剤
プレアミンP amino acid combination
- 1bag = 100mL
- 7.6% AA (総遊離アミノ酸量 7.6mg/mL)
投与方法
- 中心静脈より投与
- 日齢3より0.5g/kg/dayで開始、2日ごとに1.0, 1.5g/kg/dayまで増量
- 例
- 体重1kgで1.0g/kg/dayで投与する場合
- プレアミンP 22 mL
- 20%Tz 18 mL
- 計 40mL 1mL/hr(WQ: 24, GIR: 1.5, AA 1.0g/kg/day)など
メモ
- 1g = 13.158mL
- 0.5g/kg/day = 6.58mL/kg/day
- 1.0g/kg/day = 13.16mL/kg/day
- 1.5g/kg/day = 19.74mL/kg/day
- NPC/N比(非蛋白カロリー(kcal)/窒素(g))=(糖質熱量+脂肪熱量)kcal/アミノ酸(g)×0.81×0.16
- アミノ酸を蛋白に合成するためには小児150-200?、新生児は300-400必要
ネオアミユー amino acid combination for uremia
- 1 bag = 200mL
- 5.90w/v% AA
- 腎機能障害がある場合上記に代替して使用する。
カルチコール calcium gluconate
- 8.5% 5mL(当院), 8.5% 10mL
- 1mLあたりカルシウムとして7.85mg(0.39mEq)
投与方法
- 急速投与; 高カリウム血症やけいれんなどで急速な補正が必要な時
- 1.0 - 2.0mL/kg/doseを、徐脈に注意して心電図モニタを見ながら10分かけて静注
- 持続投与; 血液ガス検査などでiCa <
1.0mmol/Lとなっており補正が必要な時
- ハーフカルチコール 2.0mL/kg/doseを30分程度で投与\
- 例
- 体重1kgで
- カルチコール 1mL + 注射用蒸留水 1mLを4mL/hrで投与
- 主輸液混注; iCaの低下傾向が見られていて補充を行いたい時
- 一日維持量 2.0mL/kg/日程度を主輸液に混注。超低出生体重児の出生早期では5.0mL/kg/day程度必要な場合もあり。
メモ
- リン酸二カリウムと反応するとリン酸カルシウムを形成するので同じルートからの投与は不可
- 組織壊死性有り
イントラリピッド soy oil
- 10% 100ml製剤
- 日齢3より0.5g/kg/dayから開始
- 以後、2-3日ごとに0.5g/kg/dayずつ増量。1.5-2.0g/kg/dayを最大とする。
- 感染症・黄疸増悪時には投与中止する
- フィルター使用不可
- P 0.016mmol/mL含有。つまり、1.0g/kg/day投与しているときはP 0.16mEq/kg/day入る
アログリセム: ジアゾキサイド
- 高インスリン血症低血糖に対して
- ジアゾキサイド 10-25mg/kg 2x-3x
その他
- 日齢 2より
- ビタジェクトA/B 各0.2ml/kg/day
- メドレニック 0.2mL/kg/day max 0.5ml/kg/day
ユベラ: Vitamin E
- 網膜症予防・CLD予防治療としては ユベラ 30mg/kg/day 3x
CAM
- CLD予防治療として 5mg/kg/day 2x
アルファロール
- 0.05-0.1ug/kg/day 2x
増血剤・血液製剤
RCC-LR
- 1単位= 140mL
投与方法
- 10-20mL/kgを4-6時間で静注、心不全がある場合はより緩やかな速度でdiv.
- 5時間以内毎にシリンジを交換
- 例
- 体重1kgで10mL/kgを20時間で投与する場合
- 10mLシリンジに2mL毎に分注、時間0.5mL/hrで4時間毎にシリンジ交換
メモ
- 5mL/kgでHbは0.8g/dL上昇
- 必ずロック用シリンジを使用すること
- 交換輸血(溶血性貧血・重症黄疸など)に使用する場合は、MAP:FFP:Plt = 4:2:1で混合して用いる
- 輸血の基準: 呼吸管理施行例 12g/dL, 酸素投与例 10g/dL, 酸素非投与例 8g/dL
血小板製剤
- 1単位(20mL)中に2x10^10^個の血小板
メモ
- 1単位(20mL)で10-15x10^4^/mm^3^/kgの血小板上昇
- 有効期限は採血後72時間と短い
- 室温で震とうさせる。
FFP:新鮮凍結血漿
- できるだけ3時間以内で使用。15ml/kgで凝固因子補充
- 1単位 80ml
インクレミンシロップ 5% soluble ferric pyrophosphate
- 水薬: 1mL中溶性ピロリン酸第二鉄50mg(鉄として6mg)
投与方法
- 0.5mL/kg/day(鉄として3mg/kg/day) 分2で内服から開始。Feあがってこなければ1.0mL/kg/dayに増量する。
メモ
- S-Fe 目標 70ug/dL以上
エスポー erythropoietin
- Hb < 14g/dLを目安に開始
投与方法
- 200IU/kg/dose(0.133mL/kg)を1週間に2回
- 大腿に皮下注、左右交互に
メモ
- routineで必ずFe,Retを調べる