小児麻酔
挿管
- 目安です。
- 太さ: 4 + age/4
- 年齢不明時では小指の爪のサイズを使用 1
- 深さ: Ht/10 + 5 or age + 10
- 経鼻挿管では + 2~3cm
年齢 | 体重 | 身長 | チューブ | 深さ | 喉頭鏡 | LMA |
---|---|---|---|---|---|---|
28週頃 | 1000g | - | 2.0/2.5mm | 7 cm | 00 | - |
33週頃 | 2000g | - | 2.5 | 8 | - | |
0M | 3 kg | 50cm | 3.0 | 9-10 | 00/0 | 1 |
3M | 6 | 60 | 3.0 | 10-11 | 0/1 | 1.5 |
6M | 8 | 65 | 3.5 | 11 | 1 | 1.5 |
9M | 9 | 70 | 3.5 | 11-12 | 1.5 | |
1y | 10 | 75 | 4.0 | 12 | 1.5/曲1 | 2 |
2y | 12 | 80 | 4.5 | 13 | 2 | |
3y | 14 | 90 | 4.5 | 14 | 曲2 | 2 |
4y | 16 | 100 | 5.0 | 15 | 2 | |
5y | 18 | 105 | 5.0/5.5 | 15 | 2 | |
6y | 20 | 110 | 5.5/5.0c | 16 | 2.5 | |
7y | 22 | 120 | 5.5c | 17 | 曲2/曲3 | 2.5 |
8y | 24 | 125 | 5.5c | 17 | 2.5 | |
9y | 26 | 130 | 5.5c | 18 | 2.5 | |
10y | 30 | 135 | 6.0c | 18 | 3 | |
11y | 35 | 140 | 6.0c | 19 | 曲3 | 3 |
12y | 40 | 145 | 6.0c | 19 | 3 | |
13y | 45 | 150 | 6.0c | 20 | 3-4 | |
14y | 50 | 150-160 | 6.5c | 20 | 3-4 |
静脈麻酔薬
プロポフォール
- 1% 10mg/mL (2%のものもあるため注意)
投与量
- 乳児: 3-5mg/kg (0.3-0.5mL/kg)
- 幼児~: 1-3mg/kg (0.1-0.3mL/kg)
- 成人: 1.0-1.5mg/kg (0.1-0.15mL/kg)
- 例)
- 3kg: 1.5mL
- 10kg: 4.0mL
- 20kg: 4.0-6.0mL
- 成人: 5.0-7.5mL
イソゾール
標準的な溶解法だと 25mg/mL
注意
- 喘息患者には使用しないこと。
投与量
- 新: 2-4mg/kg
- 児: 4-6mg/kg
- 例)
- 3kg: 0.3mL
- 10kg: 2.0mL
- 20kg: 4.0mL
- 成人: 4.0mL程度投与して、入眠確認後に半量追加
ケタラール
- 静注用: 10mg/mL, 筋注用も存在するため注意
投与量
- 鎮痛のみ: 0.25-0.50mg/kg
- 麻酔導入時: 1.0-2.0mg/kg
- 例)
- 10kg: 2mL 緩徐に
- 20kg: 4mL 緩徐に
- 必要に応じて半量を追加投与
- 体性痛には効果があるが、内臓痛には効きにくい
ミダゾラム
- ドルミカム注射液10mg 2mL
- 通常、生理食塩水 8mLと合わせて、10mg/mLに調整
- ミダフレッサは鎮静に対する適応はないため要注意
投与量
- 麻酔導入時、挿管前など: 0.10mg/kg
- 人工呼吸などでの鎮静
- 導入
- 修正在胎45週以上(在胎週数+出生後週数)の小児には、初回投与はミダゾラム0.05~0.20mg/kgを少なくとも2~3分以上かけて静脈内に注射する。
- 必要に応じて、初回量と同量を少なくとも5分以上の間隔を空けて追加投与する。
- 維持
- 修正在胎32週未満ではミダゾラム0.03mg/kg/h
- 修正在胎32週以上ではミダゾラム0.06mg/kg/hより持続静脈内投与
- 上記は添付文書上であり0.1-0.2mg/kg/hr程度必要なことも
- 導入
吸入麻酔薬
セボフルラン
MAC(%) | 0-1M | 1-6M | 6M-1y | 1y-12y | 成人 |
---|---|---|---|---|---|
SEV | 3.3 | 3.2 | 2.5 | 2.5 | 1.7 |
筋弛緩薬
サクシニルコリン(スキサメトニウム)
投与量
- 新: 2-3mg/kg
- 乳: 2mg/kg
- 幼-: 1-1.5mg/kg
マスキュラックス (ベクロニウム)
溶解(標準溶解法: 4mg/mLであるが、1AをNS 4mLで溶解させて1mg/mLを使用)
投与量
- 初回 0.10mg/kg
- 例)
- 3kg: 0.3mL
- 10kg: 1.0mL
- 20kg: 2.0mL
- 成人: 4.0mL (4mg)
- ただし、crush induction時は2-3倍を投与
- 30-60分毎に上記の半量を投与
エスラックス (ロクロニウム)
投与量
- 初回: 0.60mg/kg
- 例)
- 10kg: 0.6mL
- 成人: 3.0mL
- ただし、4ヶ月未満の児ではやや少なめに投与しないと筋弛緩が遷延することがある。
脱筋弛緩薬(リバース)
ネオスチグミン(ワゴスチグミン)
- 0.5mg/mL
投与量
- リバースとして0.1mg/kg (0.2mL/kg)、ただし筋弛緩剤投与からの時間によって調整する。
- 小児外科では0.06mg/kg (0.12mL/kg)を使用する。
- 上記に加えて半量程度のアトロピンを使用する。
- 例)
- 10kg: ネオスチグミン 1.2mL + アトロピン 0.6mL
- 20kg: ネオスチグミン 2.4mL + アトロピン 1.2mL
- 成人: ネオスチグミン 4mL (4A) + アトロピン 2mL (2A)、筋弛緩剤投与からの時間が短ければ1.5-2.0倍量
- プレフィルド製剤あり。
スガマデックス
- 100mg/mL
投与量
- 2-4mg/kg
- 例)
- 10kg: 0.2-0.4mL
- 成人: 2mL
- ただし、筋弛緩剤投与直後の場合は数倍量を必要とする。
鎮痛薬
フェンタニル
- 100ug/2mL (50ug/mL)
投与量
- 導入時: 2.5ug/kg, 術直前に同量追加
- 例)
- 10kg: 0.5mL + 術直前に同量追加
- 20kg: 1.0mL + 術直前に同量追加
- 成人: 2.0mL(1A) (+ 術直前に同量追加)
- 3時間を超える手術の際は1/2 - 1/3を追加で投与する。
レミフェンタニル(アルチバ)
- 2mg/2mLを生理食塩水で全量を20mLとし、0.1mg/mLとする
投与量
- 導入時: 0.5-1.0ug/kg/min. = 0.3mL/kg/hr
- 例)
- 10kg: 3mL/hr
- 成人: 計算上(添付文書上)は15mL/hrとなるがその半量程度を使用する
- 維持量: 導入量の1/5-1/10程度
- 例)
- 成人: 3.0mL/hr程度より開始、手術の状況に応じて増量。
ペンタゾシン
- 15mg/mL
投与量
- 0.5-1.0mg/kg/dose
麻酔前絶食の目安
2-4-6 rule
- clear fluid
- 水、果肉を含まないフルーツジュース、炭酸飲料、お茶、ブラックコーヒー
- 手術2時間前まで
- 母乳
- 手術4時間前まで
- 粉ミルク
- 手術6時間前まで
- 固形物と牛乳
- 手術6時間前まで
- ただし、脂肪分の多い食事や肉類は8時間以上を要することもある