離乳食について
- 小児科診療 2012 11(87)
離乳食が必要な理由
- 母乳・ミルクのみでは必要な栄養素(特には鉄分)が足りなくなる
- 咀嚼の練習となる
- 徐々に消化機能を発達させる
- 味覚を形成する
- 発達を促す
開始時期
- 首の座りがしっかりしている
- 月齢
- 6ヶ月ごろが多い
- 食べ物を欲しがる
- 体重の発育状態を見て
離乳食の開始
- 食物アレルギーの少ない、
- おかゆのすりつぶし(最初は漉してポタージュ状にまでする)
- 煮野菜のすりおろし
- などの、半流動食を1品1匙与える
- 膝に抱いた乳児を少し後ろに傾けて与える
- スプーンで試してみて、舌を押し出し嫌がるようなら諦めて次の日にまた試す
- 1ヶ月かけてゆっくり練習
- 食べない場合は・・・
- ぐずってもすぐに母乳を与えず、遊びで気を紛らわせて空腹にする
- 1日1回食・2回食の場合は3〜4日母乳やミルクに戻すのもあり
- 生活習慣をできるだけ一定にして食事のリズムを付ける
- 空腹感を与えるように間食を上げ過ぎない。
- 食事内容が一定となりすぎていないか
- 食事に集中できる環境を作る
離乳食の進め方
- 5~6ヶ月 (離乳開始期)
- 食べ物を飲み込むこと、舌触りや味になれることを目的とする
- 粒がなく、なめらかに潰した状態でポタージュくらいの濃度を目安にする
- 1日1回でつぶし粥を1さじからはじめ、慣れてきたらすりつぶしたじゃがいもや野菜類をプラスする。
- まだ消化吸収機能は未発達であり、欲しがるだけ与えることは控える。はじめての食品は1さじから試すことが基本の時期。
- スプーンの先を下唇にチョンチョンと当てて口が開くのを待ち、上唇に食べ物を擦りつけてスプーンを抜くのではなく、じぶんで上唇で食べ物を取り込むのを待ってからスプーンを水平に抜く。
- それらにもなれてきたらつぶした豆腐やすりつぶした魚などをプラスしていく。
- 7-8ヶ月
- 口の前の方を使って食べ物を取り込み、舌と上顎でつぶしていく
- 1日2回食のリズムをつける
- 絹ごし程度の舌でつぶせる程度がめやすとなる。
- 他、潰したおかゆ、粗く潰したに野菜、みじん切りの魚など。
- 徐々に粗く潰したものにステップアップさせていく。
- 軟かすぎるとすぐに食べ終わってしまい催促し、食べ過ぎてしまうことがある。
- よく食べるが口をあまり動かしていなければ、丸呑みしている可能性があるので硬さと大きさを少しステップアップさせる。
- この時期から主食・タンパク源・野菜果物の組み合わせを作っていく。
- 主食 50-60%, タンパク源 10-20%, 野菜 30%程度
- 目安は離乳食全体で子ども茶碗1/2-7分目くらい。
- 9-11ヶ月
- 舌と上顎で潰せないものを歯の上で潰すことを覚える
- 1日3回食のリズムを作る
- 指で潰せるバナナ程度の硬さを目安にする
- 形のある食品は5-7mm角程度にする
- 普通の粥・煮て5-7mm程度に切った野菜、細かくほぐした魚など
- 目安は離乳食全体で子ども茶碗7分目〜1杯くらい
- 12-18ヶ月 (卒乳期)
- 奥歯で噛み潰すことを覚える
- スプーンなどを使って一口の量を覚える
- 肉団子程度の歯茎で噛める程度を目安とする
- 柔らかく炊いたご飯・1cm角の煮た野菜・1口程度にほぐした魚など
- 目安は離乳食全体で子ども茶碗1杯くらいであるが食べ過ぎによる嘔吐・下痢がなく成長曲線に沿っていればそれ以上食べても通常は問題ない。
乳歯
- すべての乳歯が生えそろう時期は2歳6ヶ月頃が平均的
- 3歳を過ぎてもそろわない場合もあるが、だいたい3歳半頃までに生えそろえば問題ない。
- 時期
- 生後6~9ヶ月 下の前歯が生えてくる
- 生後9~10ヶ月 上の前歯が生えてくる
- 生後11ヶ月~1歳頃 上下の歯が4本ずつに
- 1歳2ヶ月~1歳6ヶ月 奥歯(第一乳臼歯)が生える
- 1歳9ヶ月~2歳頃 犬歯が生える
- 2歳6ヶ月頃 奥歯(第二乳臼歯)が生える